自己分析を1年やって分かったこと。自己分析は『強み』を探す作業ではなかった【五大商社内定】

就活生は見落としがちだが、実は一番といってもいいほど重要な「自己分析」。
私は大学3年の春から大学4年の夏前まで就活を続けたわけだが、その間約1年をまるまる自己分析に充てた。結果として自己分析に1年かかってしまったという方が正しいだろう。しかし、これだけ自分と向き合っていなければ五大商社に到底内定できていなかっただろうと思うほどに自己分析は大切だと思う。
今回は丸一年自己分析し続けた私が自己分析の極意を読者の皆さんに伝授しようと思う。特に「今まで自分とそれほど向き合ってこなかったな...」という方。大丈夫。これを読めば最短ルートで「あなたが本当にしたいこと」まで辿りつけると確信している。
なぜ自己分析をするのか?

まずは自己分析の目的を確認しよう。自己分析の目的は、自分がどんな人間かを知ることにより本当は何がしたいのかを明確にすること。
もっと言えば、自分の人生において一貫した行動原理(どういうときに何を思い、何をするのか)を見つけることで、面接の場で「なぜこの業界・企業で働きたいのか」を一本の軸が通ったストーリーのように話せるようにするためだ。
よくあるNGパターン

- 経験の羅列で終わる
- 強み・成功体験だけを探す
- 巷に出回っている「自己分析質問」をそのまま使用する
経験の羅列で終わる
「部活を頑張った」「塾講師をした」「アルバイトでリーダーをした」
これだけでは、単に過去の出来事を並べただけ。大事なのは、複数の経験に共通するものを見つけること。
強み・成功体験だけを探す
例えば、大学で体育会の主将を務めている人がいるとしよう。強み・成功体験だけを探す人は、主将としての華々しい経験だけを切り取り、「リーダーシップ」が強みだと語るだろう。しかし、それだけでは面接官の心には響かない。生まれながらのリーダーなど、ほとんど存在しないからだ。
主将になって部員と衝突したことはないか。そもそも幼少期は、人を率いるタイプではなかったかもしれない。そうした暗い過去まで掘り下げてこそ、なぜ今の自分があるのかが見え、言葉に重みが生まれる。
巷に出回っている「自己分析質問」をそのまま使用する
就活サイトや書籍、XやTikTokなど、世の中には自己分析を助けるツールが無数にある。もちろん、自己分析のきっかけとしては有用だ。
しかし、用意された質問に受動的に答え続けるだけでは、自己分析は終わらない。一問一答で分かるのは、あくまで「何を経験したか」に過ぎないからだ。自己分析の本質は、すべての経験に通底する「自分の価値観」を見つけること。そのためには、質問に答えるだけでなく、経験同士を自らつなぎ、「なぜ自分はそうしたのか」を掘り下げる必要がある。
自己分析の際やってよかったこと

- 強さではなく弱さから自分を理解する
- なぜ?を繰り返し、価値観の根っこを掘る
- バラバラの経験を、一つの軸でつなげる
私がやってよかったと感じるのは上記の3つ。そしてこれらのポイントはそれぞれ【前提】【前半パート】【後半パート】の順に並んでいる。一つずつ見ていこう。
強さではなく弱さから自分を理解する
私も初めは自分の弱みからずっと逃げていた。私の弱みとは吃音。※私の吃音奮闘記は下のリンクからご覧いただきたい。
自己分析の段階から吃音と向き合うことを避けていた私は、面接でもなかなか自分の心の奥にあることを話せなかった。その結果、夏インターン、早期選考と、次々に訪れる内定のチャンスを逃していった。
しかし、就活も終盤に差し掛かった大学3年生の3月。納得のいく内定がなく焦っていた私は、「もうどうにでもなれ」と、吃音についても正直に話すことを決めた。そして、自己分析でもこれまで避けていた吃音と真正面から向き合い、自分の過去を振り返ってみた。
すると、驚くほど明確な”一本の軸”が見えてきた。
私はこれまでの人生で、挑戦から逃げないことを大切にしてきた。しかし、なぜ自分はそこまで「挑戦すること」にこだわるのか。その理由を辿っていくと、実はその価値観の根底には、吃音との経験があった。吃音を克服しようと、私はかつてステージ上で声を張り上げたことがある。逃げ出したくなる自分と向き合い、あえて人前に立って声を出した。その経験を通じて、私は「怖くても、逃げずに挑戦することの大切さ」を学んでいたのだ。つまり、これまで自分の弱みだと思って目を背けていた吃音こそが、実は私の価値観を形づくった原点だった。強みだけを探していたときには見つからなかった自分の軸が、弱みから過去を掘り下げたことで、初めて見えてきたのである。
なぜ?を繰り返し、価値観の根っこを掘る
前述した通り、世の中には「自己分析のための質問集」なるものが無数に存在する。しかし、そこに書いてある質問にただ答えるだけでは無意味だ。答えるにしても、その質問の答えに対して「なぜ?」を徹底的に繰り返していく必要がある。
下図を見てみてほしい。

ここまで掘ると、最初は「リーダーシップ」だった強みが、実は「人を動かすこと」ではなく、「周囲が力を発揮できる環境をつくることにやりがいを感じる」というところまで深ぼれる。
また、自己分析の段階で「なぜ?」を徹底的に繰り返しておけば、面接でどれだけ厳しい深掘りが来ても答えることができる。さらに志望動機にしっかりとその価値観を反映できていれば志望動機の深堀りに対しても自信を持って答えることができるので、是非この一貫する価値観が見えてくるまで徹底的に「なぜ?」を繰り返してほしい。
バラバラの経験を、一つの軸でつなげる
「なぜ?」を繰り返し価値観の根っこまで掘り返したら、あとはバラバラに散らばっている多くの経験を一本の軸に繋げる作業。
ここで重要なのは、経験から無理やり共通点を探すのではなく、見つけた価値観を起点に過去の経験を見直すこと。
例えば、「周囲が力を発揮できる環境をつくりたい」という価値観が見つかったとする。そうすると、体育会で後輩を育成した経験、アルバイトで相手に合わせて指導した経験、ゼミでメンバーの意見を引き出した経験など、一見すると全く違う経験が、実は一つの軸でつながっていることに気づく。
重要なのは何をしたかだけではなく、なぜ自分は、どの経験でも同じような行動を取っていたのか。この問いを過去の経験に投げかけていくと、経験そのものは違っていても、いつも同じことを大切にしていた自分が見えてくる。これこそが、自己分析で見つけるべき一貫した価値観だ。自己分析とは、過去の経験を整理する作業ではない。バラバラに見える経験の中から、「自分は結局、何を大切にして生きてきたのか」を見つける作業なのだ。
まとめ
自己分析で大切なのは、過去の経験をただ並べたり、自分の強みを探したりすることではない。
弱みも含めた自分の過去と真正面から向き合い、「なぜ?」を繰り返しながら、すべての経験に通底する一つの価値観を見つけること。
そして、その価値観を軸にこれまでの経験をつなぎ直すことで、「自分は何を大切にしてきた人間なのか」「だから、これから何がしたいのか」が見えてくる。
自己分析には終わりがない。私自身、約1年かけて自分と向き合い続けたからこそ、最後には自分の進みたい方向を確信することができた。
もし今、「自分が何をしたいのかわからない」と悩んでいるなら、まずは自分の強みを探すのではなく、自分が逃げてきたもの、苦しかった経験、なぜか強くこだわってしまうことから振り返ってみてほしい。
そこにこそ、あなたがこれまで気づいていなかった本当の自分が隠れているかもしれない。


